「管理職にはなりたくない。でも、このままの給料でいいとも思っていない…」
前の記事でお伝えしたとおり、回復期リハビリ病棟の管理職は、診療報酬改定による経営プレッシャーを一身に受け、臨床からどんどん離れていきます。
それが現実です。
では、管理職にならない理学療法士に、給料を上げる方法はないのでしょうか?
ネットで調べると「転職する」「認定資格を取る」「管理職を目指す」という情報ばかりが出てきます。
でも、転職しても管理職以上の給料は得られません。
認定資格を取っても、直接的な昇給に結びつかない病院がほとんどです。
そして管理職になることは、この記事を読んでいるあなたが最も避けたい選択肢のはずです。
私は、病院勤務を続けながら、管理職にもならずに、収入を上げることができています。
その手順は3つあります。
どれも「楽して稼ぐ」話ではありません。
でも、家族がいる中でのリスクを考慮した、現実的な選択肢です。
14年目の理学療法士として、実体験をもとに正直にお伝えします。
まず前提として|理学療法士の給料が「管理職以外では上がらない」と言われる本当の理由
「給料を上げるなら管理職しかない」という言葉を、あなたも一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
この言葉には、一定の根拠があります。
理学療法士の収入は診療報酬制度によって強く縛られており、どれだけ技術を磨いても、病院から支払われる単価は変わりません。
新人も14年目のベテランも、1単位あたりの診療報酬は同じです。
さらに、多くの病院では年功序列の昇給体系が残っており、「頑張った分だけ給料が上がる」という仕組みが機能していません。
認定理学療法士などの資格を取得しても、資格手当として数千円程度の上乗せにしかならないケースがほとんどです。
だから「管理職になって役職手当をもらう以外に、給料を上げる方法はない」という結論になってしまう。
しかし、これは「病院内での昇給」だけを見たときの話です。
収入を上げるためのフィールドを病院の外にも広げれば、管理職にならなくても選択肢は存在します。
その前提を共有した上で、管理職になりたくない理学療法士が収入を増やす3つの現実的な手順をお伝えします。
手順①|まず転職で給料の底上げをする【最速で効果が出る方法】
3つの手順の中で、最も即効性が高いのが転職です。
同じ理学療法士という職種であっても、勤務先によって年収は大きく異なります。
急性期・回復期・訪問リハビリ・クリニック・スポーツ施設など、働く場所によって給与水準は変わります。
また、規模の大きな医療法人や、処遇改善に積極的な病院に移ることで、現状より年収を50〜100万円上げることも、決して珍しくありません。
私自身、28歳のときに転職を経験し、年収を80万円アップさせることができました。
転職は「負け」でも「逃げ」でもありません。
市場で自分の価値を正当に評価してもらうための、合理的な選択です。
ただし転職にはリスクもあります。
職場環境が合わない可能性、家族の生活への影響、慣れ親しんだ職場を離れる心理的負担。
これらを軽視せず、転職エージェントを活用しながら慎重に進めることが重要です。
転職はあくまで「収入の底上げ」です。
その上で次にご紹介する副業整体を組み合わせることで、管理職を超える収入を作ることができます。
▶関連記事:【まずは副業よりも転職を!】理学療法士が給料UPを狙うための転職サイトの使い方
手順②|副業整体で”技術を収入に変える”【臨床家としての強みを最大化する方法】
管理職にならずに収入を上げる、最も本質的な方法が副業整体です。
病院という保険診療の世界では、技術力が収入に直結しません。
しかし自費診療の整体では、あなたの施術の質がそのまま収入に反映されます。
患者様に選ばれ、リピートされ、紹介で広がる。
この好循環が生まれれば、管理職の役職手当をはるかに超える収入を、臨床家として働きながら得ることができます。
私は副業整体を始めて1年半が経ちます。
現在も、月5万円程度の副収入を得られています。
これは営業や宣伝の結果ではなく、純粋に施術の質と患者様との信頼関係によって積み上げてきた数字です。
理学療法士が整体師として活動することには、大きなアドバンテージがあります。
解剖学・運動学の深い知識、触診・動作分析の技術、患者様との関係構築の経験。
これらはすべて、一般の整体師が持ち合わせていない強みです。
なお、集客の具体的な方法については別記事にて詳しく解説しています。
SNSを使わずに集客する仕組みについては、そちらをご参照ください。
▶関連記事:【副業整体師が教える】本業バレしない集客方法|SNS不要で安心開業
手順③|本業と副業の”相乗効果”を意図的に作る【長期的に収入を伸ばし続ける土台】
副業整体を始めると、意外なことが起きます。
本業の病院勤務の質まで上がるのです。
これは私が実際に経験して、最も驚いたことでした。
副業整体では、患者様が自費でお金を払って来てくださいます。
その重みが、施術への真剣さを高めます。
一人ひとりの状態を精緻に評価し、最適な手技を選び、結果を出すことへのこだわりが、自然と強くなります。
この姿勢が、病院での臨床にも反映されていきました。
一方、病院勤務では副業では得られないものがあります。
医師との連携、画像・検査データへのアクセス、急性期から回復期にわたる幅広い症例経験。
これらは整体の「見立て力」を深める上で、大きな武器になります。
つまり、病院と副業整体は競合するものではなく、互いを高め合うものです。
この相乗効果を意図的に作ることが、3つ目の手順です。
「どちらかだけ」ではなく「両方があるからこそ」という発想で働くことで、収入だけでなく、理学療法士としての成長も加速します。
▶関連記事:理学療法士が副業整体を始めてわかった|本業との相乗効果で得られる5つのメリット
この3つの手順を踏む前に確認すべきこと|リスクと順番の考え方
「やってみたい。でも、本当に自分にできるのか」
この不安は、かつての私も強く感じていました。
だからこそ、リスクの考え方をお伝えしたいと思います。
リスク①|就業規則の確認
まず最初に確認すべきは、就業規則です。
副業が禁止されている病院では、整体業を始めることが懲戒処分の対象になる可能性があります。
総務課への確認や、就業規則の確認は必須です。
公務員と民間では規制の内容も異なるため、自分の雇用形態に合わせて確認してください。
リスク②|家族との相談
次に、家族への相談です。
副業を始めることで、休日の時間が一部なくなります。
家族の理解を得てから動くことが、長続きする副業の条件です。
「いきなり始めて後で説明する」ではなく、最初に話し合うことを強くおすすめします。
順番|着実に収入を増やしてく手順
そして、順番の考え方です。
まず転職を検討し、収入の底上げを図る。
その後、安定した状況で副業整体を小さく始める。
焦って一度に全部やろうとすると、本業にも支障が出ます。
段階的に進めることが、リスクを最小化しながら収入を増やす現実的なアプローチです。
▶関連記事:【理学療法士の副業はバレる?】原因6つとバレない対策法を徹底解説
▶関連記事:【理学療法士の副業は禁止?】就業規則の確認方法と懲戒処分を回避する対策
私が副業整体を選んだ理由|管理職にならなかった14年目の現在地
正直に言います。
管理職のオファーがなかったわけではありません。
年数を重ねていけば、そういった打診は自然と来ます。
私にも、そのタイミングがありました。
でも、断りました。
理由は単純です。
管理職になることで、自分が本当にやりたいことから遠ざかるとわかっていたからです。
患者様の前に立ち、自分の手で誰かの体を変える。
その瞬間に理学療法士としての喜びがあると、14年間働いてきた中で確信していました。
管理職を断った後、収入をどう上げるかを真剣に考えました。
そして行き着いたのが、副業整体という選択肢でした。
始めた当初は不安だらけでした。
本当に患者様が来てくれるのか。
本業に支障は出ないか。
家族に迷惑をかけないか。
それでも、小さく始めて、一人ひとりと丁寧に向き合ううちに、少しずつ形になっていきました。
今は、病院での仕事も副業整体も、どちらも「臨床家として働いている」という実感があります。
管理職にはならず、臨床家として患者様の前に立ち続けながら、収入も着実に増えています。
これが、私が選んだ14年目の現在地です。
副業整体の具体的な始め方については、次のロードマップ記事で詳しく解説しています。
▶関連記事:【理学療法士による副業整体の始め方】月5万円作るまでの完全ロードマップ
まとめ
管理職にならなくても、収入を増やす現実的な方法はあります。
一つ目は転職による底上げ。二つ目は副業整体による技術の収益化。三つ目は本業と副業の相乗効果を意図的に作ることです。
この3つを順番に積み上げていくことで、臨床家としての自分を手放すことなく、収入を増やすことができます。
大切なのは「管理職か、現状維持か」という二択から抜け出すことです。
その二択に縛られている限り、どちらを選んでも何かを失い続けます。
管理職を選べば臨床を失い、現状維持を選べば収入の伸びを失う。
でも第三の選択肢があるなら、話は変わります。
私は今、総合病院の回復期リハビリ病棟で勤務しながら、副業整体を続けています。
管理職ではなく、臨床家として患者様の前に立ちながら、収入も着実に増えています。
かつての私と同じ悩みを抱えているあなたに、この現実を知ってほしいと思います。


