そう考えるのは、当然のことだと思います。
私自身も、副業整体を始める前はそう考えていました。
理学療法士として病院に勤務しながら副業整体を始めることを決め、事業計画を立て、レンタルサロンを探し、必要なものを準備してから開業しました。
それでも、実際に始めてみると、
と思うことがいくつもありました。
私は2024年6月に副業整体を始め、現在まで1年半以上、副業として整体業を続けています。
ありがたいことに、現在では本業の理学療法士を続けながら、月5万円前後の利益を作れるようになりました。
しかし、最初から順調だったわけではありません。
実際にお客様を迎えてみて、初めて分かったこともたくさんあります。
この記事では、私が副業整体を実際に運営する中で経験した、「開業前には気づけなかった7つの失敗」を紹介します。
これから理学療法士として副業整体を始めたい方が、私と同じ失敗をしないための参考になれば幸いです。
私が副業整体で経験した7つの失敗
今回紹介するのは、次の7つです。
どれも、開業前の私は「これくらいなら大丈夫だろう」と考えていたことです。
しかし、実際にお客様を迎えてみると、開業する側から見ただけでは分からない問題が見えてきました。
ここからは、それぞれの失敗と、そこから私が学んだことを紹介します。
① 開業届は紙で出せばよかった
副業整体を始めるとき、最初に必要になるのが開業に関する手続きです。
私も副業整体を始めるにあたって、開業届を提出しました。
そのとき私は、「せっかくなら電子申請のほうが効率的だろう」と考え、e-Taxを利用して手続きをすることにしました。
ところが、これが思った以上に大変でした。
e-Taxでの手続きに思った以上に時間がかかった
e-Taxを利用するためには、マイナンバーカードの準備や読み取り環境、各種入力など、初めて利用する私には分からないことがいくつもありました。
電子申請に必要な設定などで途中から分からなくなり、電話でオペレーターの方に確認しながら手続きを進めました。
結果として、開業届を提出するだけで1時間以上かかりました。
もちろん、電子申請そのものが悪いわけではありません。
慣れている人にとっては便利な方法だと思います。
ただ、私の場合は「初めての開業手続き」であり、「電子申請にも慣れていない」という状態でした。
そのため、今振り返ると、最初から紙で提出したほうが早かったと思います。
大切なのは「一番効率的な方法」より「迷わずできる方法」
この経験から学んだのは、「電子申請=必ず効率的」と考える必要はないということです。
開業準備では、周囲から「この方法が便利」「これが一般的」と言われることがあります。
しかし、自分が初めて行う手続きであれば、調べたり設定したりする時間まで含めて考える必要があります。
これから開業する方は、提出方法だけでなく、「自分が迷わず手続きを進められるか」という視点でも考えてみてください。
開業届の具体的な書き方や提出方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。
▶ 関連記事:【副業整体のための開業届マニュアル】開業届のメリット・書き方・提出方法まで徹底解説
② レンタルサロンはバリアフリーの場所を選ぶべきだった
副業整体を始めて、特に反省したことの一つがレンタルサロン選びです。
私はレンタルサロンを利用して副業整体を始めました。
開業前には、施術スペース、料金、利用時間、アクセス、駐車場、設備などを確認して、利用する場所を決めました。
しかし、今振り返ると、「お客様の身体状況」という視点が足りませんでした。
理学療法士なのに、サロン選びでは見落としていた
私が最初に利用していたレンタルサロンには、
といった問題がありました。
あるとき、膝の痛みを抱えて来店されたお客様から、「階段がちょっとつらい」と言われました。
そのとき私は、「なぜ最初にここを確認しなかったんだろう」と反省しました。
理学療法士として病院で働いていると、患者さんが安全に移動できる環境かどうかを考えることは日常的に行っています。
ところが、サロン選びになると「施術ができる場所か」という視点ばかりに意識が向いていたのです。
施術スペースだけでなく「移動」まで確認する
副業整体のレンタルサロンを選ぶときは、施術室だけを見るのでは不十分です。
「お客様が駐車場から施術ベッドまで安全に移動できるか」まで確認する必要があります。
例えば、
などです。
特に私のように、50〜70代のお客様を中心に考えているのであれば、こうした環境面は重要です。
「施術者にとって便利な場所」ではなく、「お客様にとって利用しやすい場所」を選ぶ。
これが、私が実際に副業整体を始めて学んだことです。
③ レンタルサロンの駐車場が満車になることを想定していなかった
レンタルサロンを選ぶとき、私は駐車場についても確認していました。
そのため、「駐車場があるから大丈夫」と思っていたのです。
しかし、実際に利用してみると、もう一つ確認しておくべきことがありました。
それが、「予約した時間に駐車場が空いているとは限らない」ということです。
駐車場は「あるか」だけでは不十分
レンタルサロンには、自分以外にも利用者がいます。
そのため、予約が重なる時間帯には駐車場が満車になることがあります。
自分が施術している時間帯に別の利用者が駐車場を使っていれば、当然、お客様が来たときに停める場所がない可能性があります。
私は開業前、この点を十分に想定していませんでした。
「駐車場○台あり」という情報だけを見て、「これなら問題ない」と判断していたのです。
しかし実際には、重要なのは駐車場の台数だけではありません。
「自分のお客様が来る時間帯に駐車できるのか」まで確認する必要がありました。
お客様にとって駐車場もサービスの一部
この経験から、私は駐車場も整体サービスの一部だと考えるようになりました。
施術がどれだけ良くても、
となれば、お客様にとっては大きなストレスになります。
特に身体に痛みや不調を抱えている方にとって、少し離れた場所から歩くこと自体が負担になる場合もあります。
だからこそ、開業前に「駐車場があるか」だけで判断しないことが大切です。
私なら開業前にここまで確認する
これからレンタルサロンを探すなら、私は次の項目まで確認します。
レンタルサロンは、「安い」「駅から近い」といった条件だけで決めないことが大切です。
お客様が実際に到着して、車を停め、施術を受け、帰るところまで想像して選ぶ。
これが私の経験から学んだポイントです。
▶ 関連記事:副業整体のレンタルサロン選び|契約前に確認したい21項目チェックリスト
④ 固定型の施術ベッドに慣れるまで時間がかかった
これも、理学療法士として副業整体を始めたからこそ経験した失敗です。
病院で使用しているベッドと、レンタルサロンの施術ベッドでは、使い勝手が大きく違いました。
私が普段の仕事で使用していたのは、基本的に高さを調整できるベッドです。
一方、レンタルサロンでは固定型の施術ベッドを使用していました。
「ベッドが変わるだけ」と思っていた
開業前の私は、「ベッドなんて、慣れれば大丈夫だろう」くらいに考えていました。
ところが、実際に施術を始めてみると、細かな部分で違いを感じました。
例えば、
などです。
特に施術を続けていると、「いつもの感覚で身体を動かせない」という違和感がありました。
病院ではベッドの高さを変えることで、自分が施術しやすい高さに調整できます。
しかし固定型の場合は、ベッドに合わせて自分の身体の使い方を変える必要があります。
実際に施術しながら、自分の動きを調整する
固定型の施術ベッドについては、開業前に高さやサイズ、施術スペースを確認しておくことが大切です。
ただ、それだけでは分からないこともあります。
といったことは、実際に施術してみなければ分かりません。
私自身も、お客様を施術しながら少しずつ身体の使い方を調整していきました。
そのため、固定型の施術ベッドについては、事前に完璧な準備をするというより、実際に施術しながら、その環境に合った身体の使い方を見つけていくことが大切だと感じています。
技術だけでなく、「その環境で、自分がどう動けば無理なく施術できるのか」まで考える。
これも、副業整体を始めて学んだことの一つです。
▶関連記事:持ち運びできる整体ベッドの選び方|施術スタイルで変わる選ぶ基準6つを紹介
⑤ お客様から直接お金を受け取ることに心理的なハードルがあった
これは、技術や設備とは関係のない失敗です。
しかし、私にとっては意外と大きな問題でした。
それが、「お客様から直接お金をいただく」ということです。
病院勤務と副業では「お金との距離」が違う
病院で理学療法士として働いていると、患者さんから直接、「○○円です」と言って料金を受け取ることは基本的にありません。
自分が提供している理学療法に対して、患者さんから直接料金をいただくわけではないからです。
ところが、副業整体では違います。
自分で料金を決め、自分でサービスを提供し、その対価としてお客様から直接料金をいただきます。
最初の頃は、「本当にこの金額をいただいていいのかな」という気持ちがありました。
自分の技術に価格をつけることに慣れていなかった
今振り返ると、これは技術そのものへの自信がなかったというより、「自分の技術に価格をつけることに慣れていなかった」のだと思います。
病院では、「理学療法士」という資格や組織の中で仕事をしています。
一方、副業では、自分自身がサービスの価値を考え、価格を設定し、その料金をお客様に伝える必要があります。
この違いは、実際に副業を始めてみなければ分かりませんでした。
自分が提供する価値と価格に納得する
この経験から、私は価格設定について、「安ければお客様が来てくれる」だけで考えないようになりました。
もちろん、高い料金を設定すればいいという話ではありません。
大切なのは、
を、自分自身が納得して決めることです。
そして、その内容と価格をお客様に分かりやすく伝える。
副業整体を始めるなら、価格設定は「自分が料金を納得して受け取れるか」という心理面も含めて考えておくことをおすすめします。
▶ 関連記事:副業整体の料金設定はいくらが正解?|理学療法士が60分1万円にした6つの考え方
⑥ 時間管理は病院勤務よりもシビアだった
副業整体を始めて、私が強く感じたことの一つが、「時間の価値が病院勤務とは違う」ということでした。
もちろん、病院でも時間管理は重要です。
しかし副業では、時間がそのまま売上・経費・利益に関係してきます。
5分の延長でも積み重なる
例えば、レンタルサロンを時間単位で借りている場合、施術が5分延長したからといって、「たった5分」では済みません。
その5分によって、
といった問題につながる可能性があります。
副業の場合、そもそも施術できる時間が限られています。
だからこそ、「一人のお客様にどれだけ時間を使うのか」を明確にしておく必要があります。
施術時間だけでなく「前後の時間」も考える
現在の私は、
までを、一つの流れとして考えるようにしています。
特に重要なのが、「施術時間=予約時間ではない」ということです。
60分の施術を提供する場合、60分後にすぐ退出できるわけではありません。
会計や次回予約、片付けなどの時間も必要になります。
副業は「限られた時間で運営する」仕事
本業がある人にとって、副業整体は時間との戦いでもあります。
「空いている時間に施術すればいい」と考えるだけではなく、「その時間の中で、施術以外の業務をどこまで行うのか」まで決めておくことが大切です。
これは、開業前の私がもっと具体的に考えておけばよかったことの一つです。
⑦ 50〜70代のお客様がQRコードの読み取りに苦戦することがあった
最後は、顧客対応についての失敗です。
私は、お客様との連絡やフォローにLINEを活用しています。
そこで、公式LINEの登録方法としてQRコードを用意していました。
開業前は、「スマートフォンを持っている方なら、QRコードを読み取れば簡単に登録できる」と考えていました。
しかし、実際にはそう簡単ではありませんでした。
「スマホを持っている=QRコードを使える」ではない
50〜70代のお客様の中には、「QRコードをどうやって読み取ればいいのか分からない」という方もいました。
スマートフォン自体は普通に使っていても、
といった操作には慣れていない場合があります。
こちらからすると簡単な操作でも、お客様にとっては難しいことがあります。
「自分にとって簡単」を基準にしない
この経験から、「自分にとって簡単=お客様にとっても簡単」ではないと学びました。
これは、理学療法士として患者さんと接するときにも通じることだと思います。
専門職にとって当たり前のことでも、患者さんにとっては分かりにくい。
それと同じことが、集客や予約システムでも起こります。
副業整体では、集客方法だけでなく、「お客様が予約して、来店し、施術を受け、次回につながるまでの導線」まで考える必要があります。
7つの失敗から学んだ「共通点」
ここまで、私が副業整体で経験した7つの失敗を紹介しました。
改めて振り返ると、どれも事業を続けられなくなるような大きな失敗ではありません。
開業できなくなったわけでも、事業そのものを諦めたわけでもありません。
しかし、これらの経験から、一つの共通点が見えてきました。
それは、「開業する側の視点だけでは、準備が足りなかった」ということです。
開業者目線だけでは見えないことがある
開業前の私は、
といった、いわば運営者側の視点で準備していました。
しかし実際に始めてみると、「お客様にとってはどうなのか?」という視点が重要だと分かりました。
例えば、
こうしたことは、開業する側だけを見ていては気づきにくい部分でした。
つまり、「自分が開業できるか」だけではなく、「お客様が利用しやすいか」まで考える必要があったということです。
副業整体は「技術」だけでは成り立たない
理学療法士が副業整体を始める場合、「技術があれば何とかなる」と思ってしまうかもしれません。
私自身、施術技術についてはある程度自信がありました。
しかし、実際に副業として事業を始めてみると、技術以外に考えることが非常に多いと分かりました。
例えば、
などです。
これは、病院で理学療法士として働いているときには、ほとんど経験しないことです。
だからこそ、副業整体を始めるなら、「施術技術以外の準備」も必要になります。
技術を磨くことはもちろん大切です。
しかし、副業として続けるためには、技術をお客様に届けるための仕組みを作ることも同じくらい重要だと、私は実際に始めて感じました。
私が1年半以上の副業整体で学んだこと
副業整体を始めて1年半以上。
振り返ると、今回紹介した7つの失敗は、開業前にもっと具体的に考えていれば避けられたものもあります。
一方で、実際にやってみなければ分からなかったこともありました。
だから私は、今では、「失敗しないこと」よりも、「失敗しても修正できる環境を作ること」のほうが大切だと考えています。
私自身、最初から大きな店舗を構えたわけではありません。
本業の理学療法士を続けながらレンタルサロンを利用し、限られた時間の中で少しずつお客様を増やしてきました。
その結果、現在では月5万円前後の利益を作れるようになっています。
もちろん、誰でも同じ結果になるとは思っていません。
本業、家族、地域、経験、集客方法などによって条件は変わります。
だからこそ、「副業整体なら簡単に稼げる」という考え方ではなく、「自分の生活を守りながら、どこまで小さく始められるか」を考えることが大切だと思っています。
これから副業整体を始める方へ|開業前チェックリスト
もし、これから理学療法士として副業整体を始めるのであれば、今回紹介した7つを開業前にチェックしてみてください。
【開業手続き】
□ 自分にとって一番やりやすい提出方法を選んだか
□ 手続きに必要なものを事前に確認したか
【レンタルサロン】
□ 段差や階段はないか
□ 手すりはあるか
□ お客様が安全に移動できるか
□ 駐車場は十分か
□ 予約時間帯に満車になる可能性はないか
□ 満車時の代替手段はあるか
【施術環境】
□ 実際の施術ベッドを確認したか
□ ベッドの高さやサイズは自分の施術に合っているか
□ 自分の身体の使い方を確認したか
【料金設定】
□ 自分が納得して料金を設定しているか
□ お客様に料金を伝えることに抵抗がないか
□ 提供するサービスと料金の内容が分かりやすいか
【時間管理】
□ 施術時間だけでなく、会計・予約・片付けまで考えているか
□ レンタルサロンの利用時間内に余裕を持って退出できるか
□ 予約と予約の間に余裕があるか
【顧客対応】
□ LINE登録の方法は分かりやすいか
□ QRコード以外の方法も用意しているか
□ お客様が迷ったときのサポート方法を考えているか
これだけでも、私が経験した失敗の多くは避けられると思います。
まとめ|失敗したからこそ、分かったこと
今回は、私が副業整体を1年半以上続ける中で経験した、7つの失敗を紹介しました。
改めてまとめると、
です。
どれも、開業前には「これくらい大丈夫だろう」と思っていたことでした。
しかし、実際に始めてみると、細かな問題が次々に出てきました。
だからこそ、これから副業整体を始める方には、「完璧に準備してから始めよう」と考えすぎないでほしいと思っています。
もちろん、法律・税金・事故など、事前に確認しておかなければならない重要なことはあります。
一方で、実際にお客様を迎えなければ分からないこともあります。
私が大切だと感じているのは、「大きなリスクを取らず、小さく始めて、問題が出たら一つずつ修正すること」です。
私自身も、そうやって1年半以上、副業整体を続けてきました。
本業を辞めなくてもいい。
でも、現状維持だけが選択肢でもない。
そんな働き方の一つとして、私は副業整体という選択肢をこれからも発信していきたいと思っています。
副業整体をこれから始めたい方へ
「副業整体に興味はあるけれど、何から始めればいいか分からない」
という方は、まずこちらの記事をご覧ください。
▶ 関連記事:このブログの歩き方|理学療法士が副業整体を始めるための完全ガイド
この記事では、副業整体について知りたい方に向けて、
✅本当に副業整体で収入を作れるのか
✅どれくらいお金が必要なのか
✅本業とどう両立するのか
✅副業にはどんなリスクがあるのか
✅税金・確定申告
✅開業準備
✅レンタルサロン選び
✅集客
などを、順番に整理しています。
そして、「実際に副業整体を始めるところまで具体的に知りたい」という方には、私自身が実践してきた内容をまとめた「副業整体のロードマップ」も用意しています。
▶ 関連記事:理学療法士による副業整体の始め方|月5万円作るまでの完全ロードマップ
私が最初からすべて知っていたわけではありません。
失敗して、修正して、また試して。
その繰り返しで、少しずつ現在の形になりました。
この記事が、これから副業整体を始める理学療法士の方にとって、私と同じ失敗を避けるための一つの材料になれば嬉しいです。



「副業整体を始めるなら、できるだけ失敗しないように準備しておきたい」