理学療法士として数年、あるいは10年以上働いていると、そんな感覚を抱くことがあります。
新人の頃は、毎日が必死でした。
知らないことばかりで、先輩に教えてもらい、勉強して、失敗する。
昨日できなかったことが、今日は少しできるようになる。
そんな「成長している感覚」が、仕事へのモチベーションにもつながっていたのではないでしょうか。
ところが、経験を積むと少しずつ状況が変わります。
難しいケースにもある程度対応できるようになり、後輩の指導もできるようになる。
仕事は以前よりスムーズにこなせる。
それなのに、なぜか以前ほど仕事が楽しくない。
これは単なる「やる気の問題」なのでしょうか。
私は理学療法士として14年間働いてきました。
そして、自分自身も「このままでいいのだろうか」と感じる時期がありました。
その後、私は本業を続けながら副業整体を始めました。
そこで気づいたのは、モチベーションが下がっていたのは、単純に「仕事への熱意がなくなったから」ではなかったということです。
この記事では、理学療法士が中堅になって感じやすい停滞感の理由と、そこから抜け出すために私が実践した「次の一手」についてお伝えします。
なぜ理学療法士のモチベーションは上がらなくなるのか
まず知っておきたいのは、「モチベーションが上がらない=成長していない」ではないということです。
むしろ、理学療法士として経験を積み、仕事に慣れてきたからこそ、「以前ほど仕事に熱中できない」と感じることもあります。
新人の頃は、分からないことやできないことばかりでした。
だからこそ、毎日の仕事の中に新しい発見があります。
そんな試行錯誤の一つひとつが、成長につながっていきます。
ところが、経験を積んで仕事を一通りこなせるようになると、以前のような「成長している感覚」を感じにくくなることがあります。
仕事が嫌いになったわけでもない。
職場に大きな不満があるわけでもない。
それなのに、なぜかやる気が出ない。
もしあなたがそんな状態なら、単なる「やる気不足」ではなく、理学療法士としての「停滞感」を感じているのかもしれません。
では、なぜ中堅理学療法士は、このような停滞感を感じやすくなるのでしょうか。
ここからは、私自身が理学療法士として14年間働く中で感じてきたことも交えながら、その理由を4つに分けて解説します。
中堅理学療法士が停滞感を感じやすい4つの理由
では、なぜ中堅になると「仕事がつまらない」「モチベーションが上がらない」と感じやすくなるのでしょうか。
私は、大きく4つあると考えています。
①「初めて」の経験が減る
新人の頃は、毎日が新しい経験の連続です。
うまくいかないことも多い一方で、それだけ発見もあります。
「この患者さんには、この方法が合うかもしれない」
「こう説明すると伝わりやすい」
「この評価が足りなかったかもしれない」
そんな試行錯誤の一つひとつが、成長につながります。
しかし経験を積むと、似たようなケースに何度も出会います。
過去の経験を使って対応できることが増え、「初めてだからこそ考える」という場面が少なくなっていきます。
これは能力が落ちたのではありません。
むしろ逆です。
経験によって仕事を効率よく処理できるようになった結果、新しい刺激が減っている。
そう考えることもできます。
もし「最近、仕事が簡単に感じる」と思うなら、それはこれまで積み上げてきた経験の証なのかもしれません。
② 給与や評価の「限界」が見えてくる
中堅になると、自分の職場でどのように評価されるのかも、少しずつ分かってきます。
どれだけ勉強しても。
どれだけ技術を磨いても。
どれだけ患者さんから感謝されても。
職場によって違いはありますが、給与や役職に反映される範囲には限界があります。
もちろん、仕事の価値を給与だけで判断する必要はありません。
患者さんが良くなること。
チームに貢献すること。
後輩を育てること。
そうしたものにも大きな価値があります。
それでも、「これだけ頑張っても、思ったほど待遇には反映されない」と感じることが続けば、仕事へのモチベーションが下がるのは不思議なことではありません。
特に、技術を磨くことが好きな理学療法士ほど、「もっとできるようになりたい」という気持ちと、「でも、それが評価や収入にはあまり反映されない」という現実のギャップを感じることがあります。
私自身も、ここには強く違和感を感じてきました。
③ 毎日の仕事がルーティン化する
中堅になると、一日の流れもかなり見えるようになります。
朝出勤して、担当患者さんを確認する。
評価して、治療して、記録を書く。
カンファレンスに参加する。
後輩の相談に乗る。
そして一日が終わる。
もちろん、患者さんは一人ひとり違います。
しかし、自分の中にある仕事のパターンは少しずつ固定されていきます。
「次に何をすればいいか分からない」という不安は減ります。
一方で、「次に何が起こるか分からない」という刺激も減っていきます。
安定して仕事ができることは、決して悪いことではありません。
むしろ、経験を積んだ理学療法士の強みです。
ただ、「安定」と「停滞」は、ときどき非常に近い場所にあります。
仕事をこなすことだけで一日が完結するようになると、「今日も無事に終わった」という感覚が、「今日も昨日と同じだった」という感覚に変わっていくことがあります。
④「このままでいいのか」という問いに答えが出ない
「転職したいほど今の職場が嫌なわけではない」
「人間関係もそこまで悪くない」
「仕事も普通にできている」
でも、「このまま定年まで働き続けたいか?」と聞かれると、少し答えに困る。
そんな状態です。
さらに、家庭を持っていれば、簡単に仕事を辞めることもできません。
独立にも興味がある。
副業にも興味がある。
でも、収入がどうなるか分からない。
家族への影響も気になる。
職場の就業規則も確認しなければならない。
そうやって考えているうちに、「まあ、今はこれでいいか」と現状に戻ってしまう。
この、「動きたいけれど、簡単には動けない」という状態が、停滞感につながることがあります。
モチベーションが上がらないとき、まず考えてほしい5つのこと
ここまで読んで、「じゃあ、どうすればいいの?」と思った方もいるかもしれません。
しかし、いきなり転職や独立をする必要はありません。
まずは、今の自分が何にモヤモヤしているのかを整理してみてください。
①「できるようになったこと」を書き出す
まずは、過去の自分と今の自分を比較してみましょう。
例えば、
などです。
中堅になると、できることが増えすぎて、それが「普通」になっています。
そのため、自分が成長していることに気づきにくくなります。
成長していないのではなく、成長が当たり前になって見えなくなっているだけ。
そんな可能性もあります。
②「まだできないこと」を探す
次に、「今の自分に、まだ足りないものは何だろう?」と考えてみます。
例えば、
などです。
ポイントは、「できないこと=ダメなこと」ではないということ。
できないことがあるからこそ、そこには新しい成長の余地があります。
③ 職場の外に出てみる
モチベーションが下がっているときほど、職場の中だけで答えを探さないことも大切です。
例えば、
などです。
普段とは違う環境に身を置くだけでも、「自分はこんなことに興味があったんだ」と気づくことがあります。
④ いきなり大きく動かず、小さく試してみる
「今の仕事を変えたい」と思ったからといって、いきなり退職する必要はありません。
むしろ、最初は小さく試すことをおすすめします。
例えば、
といったことです。
実際にやってみることで、
「思っていたより楽しい」
「これは自分には合わない」
ということが分かります。
考えているだけでは分からないことも、行動すると見えてきます。
⑤「収入」と「成長」を本業だけに求めない
理学療法士として頑張ることは大切です。
しかし、技術が向上することと、給与が同じように上がることは別の話です。
本業では、
という価値があります。
一方、職場の外では、
ということもできます。
副業には、収入を増やすだけでなく、本業とは違う環境で新しい経験を積めるという側面もあります。
私は、その一つの方法として副業整体を選びました。
私が副業整体を始めた理由
私は理学療法士として14年間、病院で働いてきました。
決して理学療法士の仕事が嫌いだったわけではありません。
むしろ、
「患者さんの身体を評価する」
「触れて変化を確認する」
「動作を見ながら問題点を考える」
といった仕事は、今でも好きです。
それでも、「自分が身につけてきた知識や技術を、もっと違う場所でも使ってみたい」という気持ちが少しずつ強くなりました。
そこで選んだのが、本業を辞めずに副業として整体業を始めるという方法でした。
副業なら、いきなり生活基盤を変える必要はありません。
家族との生活を守りながら、自分のペースで小さく始めることができます。
実際、私は2024年6月から副業整体を始め、現在も病院勤務を続けながら継続しています。
私の実際の収支についても公開しています。
▶関連記事:理学療法士が副業整体で5万円|1年間の収入・経費を全公開
もちろん、最初から順調だったわけではありません。
施術だけではありません。
集客、価格設定、予約管理、お客様への説明、LINE、ブログ、会計など、病院勤務では経験しなかったことがたくさんありました。
しかし、そこに新しい刺激がありました。
副業整体を始めて感じた3つの変化
①「できない自分」に久しぶりに出会えた
理学療法士として14年間働いていると、病院の仕事にはある程度慣れています。
もちろん、難しい症例はあります。
それでも、「次に何をすればいいのか分からない」という場面は、新人の頃と比べれば少なくなりました。
ところが、副業整体を始めると状況が一変しました。
分からないことだらけです。
久しぶりに、「できないから、できるようになりたい」と思う自分に出会いました。
これは、私にとって大きな変化でした。
② 自分の工夫が「結果」として見えやすくなった
副業整体では、自分で考えて行動する場面が増えます。
例えば、
といったことです。
もちろん、努力すれば必ず予約が増えるわけではありません。
価格、場所、集客方法、タイミングなど、さまざまな要素が影響します。
それでも、「こう変えてみたら、こういう反応があった」という結果が見えやすくなりました。
予約数や売上、リピートなどの数字を見ながら、自分の行動を振り返る。
これは病院勤務とは違う刺激です。
「自分の工夫が結果にどうつながったのか」を考える機会が増えたことで、仕事に対する視点も変わりました。
③ 理学療法士としての強みを再発見できた
副業整体を始めて、改めて感じたことがあります。
それは、「自分が当たり前だと思っていた経験にも価値がある」ということです。
例えば、
などです。
病院では当たり前に使っていた知識や技術が、環境を変えると自分の強みとして見えてきます。
これは副業整体を始めなければ、気づけなかったかもしれません。
ただし、ここで重要なのは、副業整体と理学療法士としての業務を同じものとして扱わないことです。
理学療法士としての知識や経験を活かせる部分がある一方で、副業として行う整体業では、そのサービス内容や広告表現などについて適切な線引きが必要です。
この点については、こちらの記事で詳しく解説しています。
▶関連記事:理学療法士の整体業で使ってはいけない危険な表現とは?
副業整体は「仕事を辞めるため」ではなく「選択肢を増やすため」
ここまで読んで、「結局、副業整体を始めたほうがいいということ?」と思うかもしれません。
私は、そう言いたいわけではありません。
病院勤務には、病院勤務だからこその価値があります。
一方で、副業には副業だからこそ経験できることがあります。
つまり、本業と副業では、得られる経験が違います。
だから私は、副業整体を「病院を辞めるための準備」としてではなく、「自分の選択肢を増やすための手段」として考えています。
ただし、副業整体にもリスクはある
ここまで副業整体のメリットを紹介してきましたが、もちろん簡単なことばかりではありません。
副業を始める前には、少なくとも、
などを考える必要があります。
特に理学療法士の場合、「理学療法士だから整体なら何でもできる」と考えるのは危険です。
本業と副業の線引きを明確にし、勤務先の患者さんの情報や職場の設備などを副業に利用しないことも重要です。
また、副業そのものが勤務先の規則で認められているのかを確認することも欠かせません。
副業を始める前に、就業規則をどのように確認すればよいのかについてはこちらで解説しています。
▶関連記事:理学療法士は副業できる?禁止されるケースと就業規則の確認方法を解説
また、法律・職場・税金・事故・集客など、副業整体を始める前に知っておきたいリスクはこちらにまとめています。
▶関連記事:理学療法士が副業整体を始めるリスクとは?法律・職場・税金・事故・集客を解説
副業は、収入を増やすためだけに行うものではありません。
私が大切にしているのは、「どれだけ稼げるか」よりも「無理なく続けられるか」です。
本業を壊してしまったり、家族との時間を削りすぎたりしては、本末転倒だからです。
モチベーションが上がらないときこそ、すぐに辞めなくてもいい
もしあなたがそう感じているなら、まず考えてほしいことがあります。
それは、「自分は何に対して停滞感を感じているのか?」ということです。
原因が違えば、必要な行動も変わります。
モチベーションが上がらないからといって、すぐに転職する必要はありません。
もちろん、転職が必要なケースもあるでしょう。
選択肢はいくつもあります。
大切なのは、「モチベーションが上がらない=自分はダメ」と決めつけないことです。
もしかすると、今のあなたに必要なのは「もっと頑張ること」ではなく、新しい刺激や、別の成長の場所なのかもしれません。
まとめ|理学療法士の停滞感は「次の一手」を考えるきっかけになる
理学療法士として経験を積むと、仕事ができるようになります。
以前なら悩んでいたことも、経験をもとに判断できるようになります。
これは間違いなく成長です。
しかし一方で、
といった理由から、以前のようなモチベーションを感じにくくなることがあります。
だからといって、すぐに仕事を辞める必要はありません。
まずは、
を考えてみてください。
私の場合、その「次の一手」が副業整体でした。
副業を始めたことで、新しいことに挑戦する機会が増えました。
「できない自分」に久しぶりに出会いました。
自分の工夫を結果として確認する経験も増えました。
そして何より、これまで理学療法士として積み上げてきた経験が、自分の強みであることにも改めて気づきました。
もちろん、副業整体がすべての理学療法士に合うわけではありません。
副業を始めることが、モチベーションを回復させる唯一の方法でもありません。
大切なのは、「今の職場を辞めるか、我慢して続けるか」という二択だけで考えないことです。
本業を続けながら、少しずつ選択肢を増やす。
そんな働き方もあります。
もしあなたが、「今の仕事を辞めたいわけではない。でも、このまま何も変わらないのも嫌だ」と感じているなら、まずは自分にとっての「次の一手」を考えてみてください。
私の場合は、それが副業整体でした。
もし副業整体という選択肢についてもう少し具体的に知りたいのであれば、私が実際に副業整体を始めてから、月5万円を作るまでに行ったことをロードマップにまとめています。
▶関連記事:理学療法士による副業整体の始め方|月5万円作るまでの完全ロードマップ
「そもそも副業整体って、自分に必要なの?」
という段階なら、まずはこちらの「このブログの歩き方」から読んでみてください。
▶関連記事:このブログの歩き方|理学療法士が副業整体を始めるための完全ガイド
仕事を辞めるか、続けるか。
その二択だけで考える必要はありません。
今の仕事を続けながら、少しずつ自分の選択肢を増やしていく。
それも、これからの働き方を考える一つの方法だと、私は考えています。



「最近、仕事に対するモチベーションが上がらない」
「昔はもっと勉強したり、新しいことに挑戦したりしていたのに……」
「仕事が嫌いなわけではない。でも、このまま同じことを続けていいのだろうか」