理学療法士が自費診療を始めて分かった「保険診療との決定的な違い」6つ

副業整体を知る

「このままの働き方で、この先も大丈夫なんだろうか」

そんな漠然とした不安を抱えながら、私は理学療法士として14年間、病院でリハビリに携わってきました。

そんな中で始めた副業整体。

最初は「保険診療も自費診療も、結局は同じ『施術』だろう」くらいに考えていました。

しかし実際に自費診療を始めてみると、その考えは大きく覆されました。

料金の仕組みはもちろん、患者様との関わり方、時間の使い方、そして「何のために施術をするのか」という根本的な部分まで、保険診療とはまったく違う世界がそこにはありました。

この記事では、私が自費診療を始めて実感した「保険診療との決定的な違い」を、実体験ベースでお伝えします。

かつての私と同じように、この働き方の先に迷いを感じているセラピストの方に届けば嬉しいです。

保険診療の強み①|料金の安さという「入りやすさ」

保険診療の最大の強みは、なんといっても料金の安さです。

基本的に3割負担で受けられるため、患者様にとって「まずは相談してみよう」という心理的なハードルが非常に低くなっています。

この入りやすさがあるからこそ、多くの方が痛みや不調を我慢せず、早い段階でリハビリにつながることができます。

「様子を見よう」ではなく「一度診てもらおう」と思える。

患者様が抱えている症状に対して、最初の一歩を後押しできるのは、保険診療ならではの強みです。

私自身、病院で多くの患者様と接する中で、この料金の安さがあったからこそ出会えたケースを何度も経験してきました。

もし自費診療しかない世界だったら、相談すらされなかったかもしれない方々です。

自費診療にはない、保険診療にしか果たせない役割がここにあります。

保険診療は、多くの人にとっての「入りやすい入口」であり続けること。

それは決して小さな価値ではないと、私は考えています。

保険診療の強み②|医師と連携したリハビリができる

保険診療のもう一つの強みは、医師との連携です。

例えば、膝の手術をした患者様であれば、執刀した医師の指示のもと、画像所見や検査データを踏まえたリハビリを行うことができます。

どの組織がどの程度修復しているのか、どこまで負荷をかけて良いのか。

こうした医学的な根拠を共有できる環境で施術できることは、患者様の安全を守る上でも大きな意味を持ちます。

これは医療機関に所属しているからこそできることであり、術後の経過や禁忌事項を正確に把握した上でアプローチできる安心感は、何物にも代えがたいものです。

何かあればすぐに医師に相談できる環境があることも、大きな支えになっています。

自費診療だけを行っていたら得られなかった強みだと、日々の臨床の中で実感しています。

保険診療の限界①|「指名できない」という現実

一方で、保険診療には限界もあります。

その一つが「指名ができない」ことです。

同じ疾患であっても、担当するセラピストによって施術の質や効果には差が生まれます。

それにもかかわらず、患者様は基本的に担当者を選ぶことができません。

「この人にまたお願いしたい」と思っても、その希望がほぼ通らないのが保険診療の構造です。

誰が担当しても一定の質を保つことは大切ですが、患者様にとっては「合う・合わない」も含めて相性があります。

技術だけでなく、話しやすさや安心感も含めて選びたいという気持ちは、決して特別なものではありません。

この部分に応えられないもどかしさを、私は現場で何度も感じてきました。

「誰に診てもらうか」を選べないことは、患者様にとって想像以上に大きな制約なのだと思います。

保険診療の限界②|リハビリ内容に融通が利かない

保険診療は、対象となる疾患に基づいて内容が決められています。

例えば、膝の疾患で通院している患者様が「実は肩の調子も悪くて」と訴えても、それを診ることは基本的にできません。

患者様の身体は一つなのに、部位ごとに「診てもらえる/もらえない」が分かれてしまう。

これは保険診療の仕組み上、避けられないジレンマです。

身体は全身がつながっているにもかかわらず、制度上は「対象疾患」という枠でしか関われない。

臨床の現場にいると、この矛盾を何度も突きつけられます。

目の前で困っている方がいるのに、制度の枠組みが理由で対応できない。

この歯がゆさこそが、私が自費診療という選択肢に目を向けるきっかけの一つになりました。

保険診療の限界③|医師の判断がすべての起点になる

保険診療では、本人がどれだけ「リハビリを受けたい」と思っていても、医師が必要と判断しなければリハビリは処方されません。

患者様の意思よりも先に、医学的な必要性の判断が来る。

これは医療として当然の仕組みではありますが、患者様自身の「施術を受けたい」という気持ちが置き去りにされてしまう場面もあります。

「痛みはないけれど、動きの質を上げたい」「再発予防のために継続したい」といった前向きな希望は、保険診療の枠組みの中では、なかなか汲み取ってもらえないのが実情です。

治療が必要な状態でなければ関われない。

この構造は医療として正しい一方で、予防や維持を望む患者様のニーズとの間に、どうしても隙間が生まれてしまいます。

保険診療の限界④|時間と期限が区切られている

保険診療の1回あたりの施術時間は、基本的に20分から40分程度です。

じっくり向き合いたいと思っても、時間的な制約の中で終えなければなりません。

さらに、たとえ本人が「まだ満足していない」と感じていても、治療には期限があります。

症状の改善度や算定日数によって、いずれ終了を迎えることになるのです。

「もう少し診てもらいたかった」という患者様の声を、これまで何度も耳にしてきました。

制度である以上仕方のないことですが、私自身、心のどこかで引っかかり続けていた部分でもあります。

限られた時間と期限の中で最大限の結果を出す。

それも大切なスキルですが、患者様の「納得」までは届かないことがある。

この現実が、私の中でずっと小さなしこりのように残っていました。

自費診療はこれらすべての「逆」だった

自費診療を始めて実感したのは、保険診療で感じていた制約がすべて逆転するということでした。

基本的には指名制なので、患者様は「この人に施術してほしい」という希望を叶えられます。

扱う部位も自由に決められるため、膝も肩も、その日困っていることに合わせて施術できます。

医師の処方を待つ必要もなく、患者様自身が「受けたい」と思ったタイミングで施術を受けられます。

時間も期間も融通が利き、患者様が満足するまで向き合うことができます。

そして何より、終わりを決めるのは患者様自身です。

保険診療で感じていたもどかしさが、自費診療では一つひとつ解消されていく。

この感覚こそが、私が自費診療を続ける原動力になっています。

どちらが良い悪いではなく「役割が違う」という気づき

ここまで読んでいただくと、自費診療の方が優れているように感じるかもしれません。

しかし私は、そうは思っていません。

保険診療には保険診療にしかできない医学的な強みがあり、自費診療には自費診療にしかできない自由度があります。

どちらか一方を選ぶ必要はなく、両方を経験しているからこそ見える景色があります。

病院で得た医学的な視点を自費診療に活かし、自費診療で培った患者様との向き合い方を病院での仕事にも還元する。

この循環が、私自身のセラピストとしての引き出しを確実に増やしてくれました。

そうした「相乗効果」こそが、この働き方を続ける中で見えてきた一番の実感です。

片方だけでは得られなかった気づきだと感じています。

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まとめ

保険診療と自費診療、どちらが優れているという話ではありません。

それぞれに明確な役割があり、だからこそ組み合わせる価値があるのだと、実際にやってみて初めて実感しました。

病院勤務だからこそ得られる医学的な視点や医師との連携。

そして自費診療だからこそ実現できる、患者様一人ひとりに向き合う自由度。

この両方を経験できることは、理学療法士という資格を持つ私たちにとって、大きな強みになり得ます。

「このまま働き方で、この先も大丈夫なんだろうか」と迷っているなら、その答えは辞めることでも独立することでもなく、両方の良さを活かす働き方の中にあるかもしれません。

この記事が、その一歩を考えるきっかけになれば幸いです。

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